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初版公開:2014/10/25
最終更新:
2024/03/11
Part.1 ではメジャーなメーカを集めています。
オリジナル | SN74N | 74LS | 74HC | 4000B/4500B | Orig. |
型番 (PDIP) |
◎SN7400N | ◎SN74LS00N | SN74HC00N CD74HC00E |
TP4001BN CD4001BE |
◎TP4300N |
1966
1966 年製造…。PDIP としては最古に近いでしょう。
1969
年代、製造場所不明
カタログには存在しない 74H85 で、プレフィクス SNX なので試作品もしくは特注品のようです。
1973
何の変哲もない 74LS TTL に見えますが、デートコード 1973 年なのでごく初期の製品です。
1973/JPN
希少な NHK 規格品です。
1974/JPN
1977/MYS
見慣れたつやのあるパッケージ。このパッケージで統一すると、高級感のあるボードになりますね。
1978/JPN
この頃からつや消しパッケージになっています。
1983/JPN
写真は三菱製のパッケージに入った TI 社の TTL IC です。
1980 年代の一時期には74LS が品薄になりますが、この時期 TI は国内メーカに IC を作らせていたのではないかと思います。
1984/JPN
これは明らかに松下製。ほかに日立製なども確認されています。
2010/MYS
21 世紀になってもスタンダード TTL は健在です。
1975/MEX
1984/JPN
2001/MEX
後年は Harris を引き継いで CD 型番の CMOS ロジック IC を製造しています。こちらは良く見かけます。
1987/JPN
2005/MEX
CD74HC シリーズ移管後も、SN74HC シリーズはディスコンにならず、両方を製造しています。
オリジナル | SN74N | 74LS | 74HC | 4000B/4500B | Orig. |
型番 (PDIP) |
- | - | CD74HC00E | ◎CD4001BE | - |
型番 (PDIP) |
SK7400 | SK74LS00 | SK7C00 | - | - |
米 RCA 社の半導体部門が主力としていたのはその TV 事業に伴うアナログ IC と COS/MOS という愛称の CMOS プロセスによるデジタル IC です。
1968 年に RCA が開発した CMOS デジタル IC の CD4000 シリーズは当時すでに普及していた TTL の 74 シリーズとシリーズ構成やピン配置が異なっていましたが、セカンドソースの多さで CMOS デジタル IC の趨勢になります。
CMOS IC は TTL と比較して高集積度、低消費電力、広範囲の電源電圧という特長がありますが、登場当時は TTL より 10 倍以上低速で 10 倍以上高価であったため、TTL IC の代替とはなりえないという見方も多かったようです。現在ではほぼすべてのデジタル IC が CMOS で作られています。
1970
1969-70 年に製造された最初の CD4000 シリーズ "A" なし品。ただし本当の最初は Flatpack で、型番も TA から始まるものだったはずです。
1971
初期の PDIP 品、"A" なし品。この時期の PDIP に入れられた MOS IC は故障率が現在のものより遥かに高いように思います。
1974
70年代の製品に見られるセラミックパッケージです。/3 とありますが MIL-STD-883 でしょうか?
1976
金属部分の「ふた」の形状は丸型と角型があります。
1978
1982?
1984
1984
後年になると、-D のパッケージが変更になります。
1988
1989
RCA は 74HC や 74AC などの高速 CMOS シリーズを早期から製造しています。これはデートコードを見る限り GE Solid State 時代の製品ですが、写真のように RCA ブランドを使用しています。
オリジナル | SN74N | 74LS | 74HC | 4000B/4500B | Orig. |
型番 (PDIP) |
- | - | CD74HC00E | (HD4001A) CD4001BE |
HD74C00N |
Harris はもともとアナログ IC や PROM が主力製品でした。1970 年代には RCA の4000 シリーズおよび NS の 74C シリーズのセカンドソースを製造していましたが、80 年代を通して製造していたか、定かではありません。
1988 年に GE 社を吸収したことから、RCA を引き継ぎ CD 型番の CMOS ロジックを製造するようになります。1999 年に Intersil となっています。Harris の製造していた民生用のCD4000 シリーズ IC は TI 社へ引き継がれています。
1975
Harris は 1970 年代に NS 社の CMOS 74C シリーズのセカンドソースを製造していました。Harris 型番は HD74C906N です。
1991
1993
1993
オリジナル | SN74N | 74LS | 74HC | 4000B/4500B | Orig. |
型番 (PDIP) |
MC7400P SN74xxP |
SN74LS00N | ◎MC74HC00N | ◎MC14001BCP | - |
1969
1970
1972
TTL MC4000 シリーズに 74 シリーズ型番が与えられています。
1977/KOR
モトローラといえば MC から始まる型番ですが、LS シリーズの TTL は SN 型番です。
1988/JPN
この時期のモトローラ日本製 IC には「T」のマークが見られます。東芝との合弁の東北セミコンダクタが 1987 年設立なので、おそらくその製造品でしょうか。
1973
1976/KOR
1977/MYS
1981/MYS
1991/JPN
2004/MYS
ON セミのロゴ。
1984/PHL
CMOS IC は MC 型番です。
1993/JPN
1994/PHL
TSC = 東北セミコンだと思うのですが、裏面の製造国表記はフィリピンです。
オリジナル | SN74N | 74LS | 74HC | 4000B/4500B | Orig. |
型番 (PDIP) |
U9A9N0059X U9A740059X 9N00PC 7400PC |
74LS00PC (SL74LS00PC) |
(N/A) | 34001 4001BPC |
◎74F00PC ◎74AC00PC ◎(9002) |
1987-1997 | (N/A) | DM74LS00N | MC74HC00N MM74HC00N |
CD4001BCN | MM74C00N |
FSC 社の歴史については Wikipedia が殊更詳しいので、そちらを参照してください。
FSC 社はディジタル・アナログ両方で早期から製品を開発しており、たとえば DTuL 9000 シリーズなどは DTL のスタンダードとなっていますが、TTL では完全に TI 社に先を越されてしまいました。とはいえシリコン Tr やモノリシック IC の製造に関する重要な特許を有しており、その特許料収入も大きかったようです。
FSC 社オリジナルの TTL 9000/9300/9600 シリーズも存在しており、カウンタやモノマルチなどの MSI はよく使われましたが、後に TI 社の型番が主流になっています。
結局、1987 年に FSC 社は NS 社に買収されており、一時期は Fairchild ブランドで NS 型番の IC を製造するようになりますが、1997 年に再び Faichild として分社独立しています。
CMOS シリーズについて言うと、70 年代前半から他社にさきがけいち早くバッファつきの品種(34000 シリーズ)をラインナップしていました。国際規格の B シリーズが登場する以前のことです。
U6A740059X /1969
FSC 社は TTL IC を TTuL と称していました。この IC は 7400 のセカンドソースですが、長い型番は Fairchild の古い命名規則によるもので、"59" がパッケージタイプを示します。
9N73U9A (7473U9A) /1971
9Nxx は 74xx シリーズの Fairchild ハウスナンバです。
9357BPC(7447PC)/1973
9N37PC(7437PC)/1973
74LS136PCQM/1979/IDN
末尾 QM は高信頼品で、スクリーニングの有無を表します。
SL74LS194APC/1981/IDN
74180PCQM/1981/SGP
74LS04PC/1986/DEU
34001DMQB/1975
これはバッファありの CMOS 4001 産業/軍用品で、 Fairchild の古いロゴがついています。
4078BPCQM/1977/IDN
4021BPC/1981/IDN
CD4001BCN
MM74HC00N
オリジナル | SN74N | 74LS | 74HC | 4000B/4500B | Orig. |
型番 (PDIP) |
DM8000N SN7400N DM7400N |
DM74LS00N | MM74HC00N | MM5601AN CD4001CN CD4001BCN |
◎MM74C00N (DM9302CN) |
1967 年から IC を製造する National Semiconductor (NS) もまた、元をたどると Fairchild だったりベル研に行き着くメーカです。NS と FSC とは切っても切れない関係にあり、後年 NS のシリーズを FSC ブランドで販売するようになります。
CMOS ロジックでは、74 シリーズピン互換の MM74C シリーズを製品化しています。70 年代半ばには 4000 シリーズ vs 74C シリーズ論争 (というほどでもない) が繰り広げられました。既存 TTL システムの置き換えも狙ったものでしたが、TTL ファンアウト 1 という 74C シリーズでは、結局全ての IC を CMOS 化せざるを得ないということで、あまり流行らず、スタンダードは 4000 シリーズに譲る事になります。しかし NS は 74C シリーズを後年まで製造し続けています。
NS 社はデータシートが見やすいというだけの理由で個人的に好きだったのですが、2011年 TI 社に吸収されてしまいました。
NS 社は 1960 年代から TTL IC を製造していますが、特に同社オリジナルの MSI シリーズは広く使われ、後に TI 社の 74 シリーズに「輸入」されています。
CMOS ロジック IC では 1970 年代に MM74C シリーズを発表しています。
これは TI 社 74 シリーズとピンコンパチブルとなっており、当時の設計者にとって「とっつきやすい」IC であったことは間違いないでしょう。
一時は RCA 社の CD4000 シリーズと並んでポピュラな CMOS IC でしたが、結局セカンドソースの差で結局 CD4000 シリーズに軍配が上がります。
1987 年に FSC 社を買収しており、一時期は Fairchild ブランドで NS 型番の IC を製造しますが、1997 年に再び Faichild として独立させています。
これは NS 社側から見て不採算部門の分社化にほかならず、本ページで扱うような汎用ロジック IC は Faichild に引き継がれています。
2011 年に NS 社は TI 社に買収され、現在は TI 社の一部門となっています。
DM8570N(=74164)/1968
初期は独自の 8000 シリーズ TTL を製造していましたが、一部は 74 シリーズに引き継がれています。
これは 1968 年製造と NS の IC としてはごく初期のもので、金メッキの足で独特なロゴ(?) がついています。
DM8000N(SN7400N)/1970
このころから 74 シリーズ型番を併記するようになりますが、プレフィクスは SN になっています。
DM8840D(SN7441AJ)/1970
DM/SN7400N(DM8000N)/1971
DM/SN74176N(DM8280N)/1972
NS旧ロゴ。トリプルナンバリングですが、8280 は Signetics N8280 のセカンドソース。
DM7400N(DM8000N)/1972
1972 年頃より見慣れた黒色パッケージに変わります。
DM7400N/1974
DM7438N/1981
NS 2代目ロゴ
DM7438N/1982
DM74S151N/1990
MM74C00N/1984
MM74Cファミリ という NS 社オリジナルの品種がありました。
平たく言えば 74シリーズピンコンパチブルの 4000 シリーズというもので、74HC の登場以前は広く使われていました。
CD4069N/1978
MM74C04 は CD4069 とのダブルナンバでした。こういうものはいくつかあります。
でも buffered なのか unbuffered なのかはっきりしませんね(unbuffered です)。
MM74HC393N/1996
NS 新ロゴ
オリジナル | SN74N | 74LS | 74HC | 4000B/4500B | Orig. |
型番 (PDIP) |
N7400A 7400N (N8200N) |
N74LS00 74LS00N |
74HC00N | (N4001A) HEF4001BP |
- |
カリフォルニアに本部があり、初期のディジタル IC 製造では大きな地位を占めていました。会社としては1975 年に Philips 傘下に入っていますが、Signetics ブランドは 1992 年まで残りました。ヨーロッパ市場のほうが見かける機会が多いかもしれません。
1966
ごく初期の PDIP パッケージ。NE840 = NE8840 の旧型番
1968
初期のパッケージ
1973
1974
ちょっと古いロゴ版。サフィクス -AH となっており、他とは少し異なるパッケージをしています。
1974
1976
この時代の Signetics IC では、サフィクス A は DIP14、B は DIP16 を意味していました。
Signetics は 1975 年に Philips に買われていますが、Signetics マークは継続しています。
1977
マーキングが横書きになり、サフィクスが N に変化しています。
1983/KOR
1991/THA
1974
CMOS が珍しかった時代のせいか IC にわざわざ「CMOS」と書いてあります。
Signetics 社製の汎用 CMOS ロジックは意外と目にする機会の少ない IC です。Philps に合併後は Philips の型番(HEF4xxxBP)となっており、ロゴは殆どみられません。