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Electronic Calculator ICs

初版公開:2014/10/25
最終更新: 2017/03/22


かつて 1960 年代 - 1970 年代にかけて、専用 LSI の開発により電卓の製造が容易となり、メーカ各社で電卓の壮絶な価格競争を繰り広げた時代がありました。それまで数千ドルと非常に高価な機器だった電子計算機が、わずか 10年ほどで $30 以下までに値段を下げています。

この電卓のコストダウンに寄与した要因として、ひとつは電卓用 LSI の登場でしょう。電卓に使われていた LSI はカスタム品が多く、あまり単体では市場に出回らなかったようなので、これらを手に入れるのは少し大変かもしれません。

もちろん汎用品として市販されたものもいくつかあり、70 年代にはワンチップ LSI を使用した電卓キットとして販売されていたこともありました。日本だと東興というメーカのキットや、信越(秋月の前身)の電卓キットなど(Cal-tex CT500x と NS MM57xx の2種)が有名だと思います。

このページにあげるのはそんな電卓用 IC の一部です。もちろん動作している製品から取り外したものではなく、ほとんど未使用品の IC たちです(一部廃棄基板からの外し品あり)。そのうち回路を組んでみたいと思っているのですが、ほとんどが特定メーカ向けなので、データシート等の資料がありません。解析からはじめなければ・・・。

適宜更新していきます。

Texas Instruments

TI 社は 1971 年に最初のワンチップ電卓 IC TMS1802 を発表します。1970 年代初頭まで電卓は多数の IC やディスクリート部品によって構成することが普通でしたが、ワンチップ電卓 IC の登場により小さな町工場でも簡単に電卓が製造できるようになります。TMS1802 をもとに内蔵マスク ROM のバリエーションを増やし、電卓ごとにカスタマイズしたものが TMS01xx シリーズです。このシリーズのうち TMS0117 のみは Bit Slice Processor で、FP 演算用の汎用プロセッサとしての応用を前提に作られたもののようです。

TMS0101 - TMS0119

1972 年ごろより生産された、TI 製の最初の「ワンチップ」電卓 IC シリーズです。

TMS0121 - TMS0137

このシリーズは TI のワンチップ電卓 IC としては 2 世代目にあたります。pMOS なのでやや消費電力が高く、動作中に触るとほんのり暖かくなります。

ピン配置(参考)

TMS0125NC
Function: LED, 10 digits, External Driver

TMS0127NC
Function: LED, 10 digits, External Driver

TMS0130NC
Function: VFD, 8 digits, External Driver, "PI" Key
TMS0130 は松下の電卓カスタム品だと思います。この IC には「π」ボタンがあり、ワンタッチで「3.1415...」を入力することができます。果たしてこのような廉価な電卓で「π」ボタンが有効に利用されたのか、少し疑問です。

TMS0131NC

部品定格


min typ max unit
VDD
-8.1 -7.2 -6.6 V
VGG
-16.2 -14.4
-13.2 V
IGG

10
15 mA
ISS
17 25 mA
PD
265 400 mW
fCK
100 250
400 kHz

* ドライバ非内蔵

TMS08xx

このシリーズは TMS01xx の後継製品のようです。

TMS0801NC
Function: LED, 8 digits, External Driver?, Constant

TMS0853NC
Function: VFD, 9 digits, ?
詳細不明

ピン配置(推定)

部品定格

min
typ
max
unit
VDD
-10.5
-10.0 -9.5
V
VGG
-16.3
-15.8
-15.3
V
IGG




ISS




PD




fCK




* デジットドライバ非内蔵

MOSTEK

MK50xx

TI 社よりやや遅れて発表された MOSTEK 社のワンチップ電卓です。VGG 1 電源だけで動作し、LED 駆動用のセグメントドライバや CR クロック発振器を内蔵していたりと TI 社のシリーズより使いやすくなっています。

MK5020AN
Function: LED, 8 digits, %, sqrt, constant

MK5021CN
Function: LED, 10 digits, %, sqrt, constant

部品定格


min
typ
max
unit
VGG
-17
-14.5
-12
V
IGG

6
mA
ISS




PD




fCK

140

kHz

National Semiconductor

MM5725N

NS の MM5700 シリーズは pMOS LSI であり、工業用のみならず電卓 IC やゲーム IC などもラインナップされています。この MM5725N は 8 桁ワンチップ電卓で、ユニークなことに逆ポーランド記法 (RPN; Reverse Polish Notation) の入力インタフェースです。例えば 30 割る 4 の計算をしたい場合は、[3] [0] [+] [4] [÷] と入力します。製品としての電卓にはあまり採用されなかったのではないでしょうか。

Manufacturer: NS
Package: PDIP28
Year Manufactured: 1973
Used in: Compumatic 8A
Function: VFD, 8 digits, Internal VFD Drivers

部品定格

min
typ
max
unit
VDD
-30.0
-28 -26.0
V
VGG
-37.5
-35
-32.3
V
IGG
1.3
2
2.7
mA
IDD
8.0
10.5
14
mA
PD




fCK

50

kHz

* ドライバ内蔵 (5 mA)
* 入力端子レベルは GND - VDD

NEC

日本でも半導体各社が電卓 IC の開発、製造を行っていました。NEC は自社で小型電卓を製造していなかったため、これらの IC はすべて外販用ということになるでしょう。どちらかというと海外のメーカで多く採用例が見られるように思います。

uPD271C

Manufacturer: NEC
Year Manufactured: 1973
Package: PDIP28
Used in: -
Function: 8 digits, External Driver,

部品定格

min
typ
max
unit
VDD
-9
-10 -11
V
VGG
-14
-15
-16
V
IGG




IDD

13
35
mA
PD




fCK
15

68
kHz

* ドライバ内蔵 (5 mA)
* 入力端子レベルは GND - VDD (クロックのみ GND - VGG)

この IC は NEC 最初のワンチップ電卓用 pMOS IC です。uPD271C は TI の TMS0100 シリーズ同様に ROM を内蔵しており、CPU 方式で構成されています。クロックは 2 相式となっています。

uPD277C

Manufacturer: NEC
Year Manufactured: 1976
Package: PDIP28
Used in: SACOM CX-8025C, etc.
Function: 8 digits, Internal VFD Drivers, sqrt

定格不明

uPD940C

Manufacturer: NEC
Year Manufactured: 1976
Package: PDIP28
Used in: Citizen 800D, etc.
Function: 8 digits, Internal VFD Drivers, sqrt, pi

定格不明

ピン配置(参考)

uPD940 シリーズは比較的よくみられる IC で、TI の石と同様、零細メーカの電卓に多く採用されています。このシリーズではuPD946C が高機能版ということになります。uPD940C には TMS0130 同様に「π」ボタンがあります。

uPD941C

Manufacturer: NEC
Year Manufactured: 1975
Package: PDIP28
Used in: SACOM CX-8025C, etc.
Function: 8 digits, Internal VFD Drivers,

定格不明

ピン配置(参考)

uPD941C は比較的後期のもので、VFD ドライバ内蔵であるため、シンプルに電卓を構成できます。

Matsushita

松下は電卓も半導体も製造する総合メーカでしたが、古い松下の電卓では IC は TI 製や MOSTEK 製など外部のメーカによるものでした。同時に自社での電卓 IC を開発していたようで、1972 年ごろから自社製電卓に自社製 MOS IC の採用例が見られるようになります。

MN5521

Manufacturer: Matsushita
Package: CDIP28
Year Manufactured: 1974
Used in: PANAC JE-885U
Function: VFD, 9 digits, ?

部品定格

min
typ
max
unit
VDD


-10
V
VGG


-15
V
IGG

0.15
0.6
mA
IDD

4.3
7
mA
PD

30

mW
fCK




* VCP=-15V

ピン配置(推定)

やや珍しい、松下製のワンチップ電卓 LSI です。古い松下の電卓では IC は TI 製や MOSTEK 製など外部のメーカによるものでしたが、この時期になると社内で電卓用 IC を製造するようになります。最初が MN5500 で、2 番目が MN5521 でしょうか。消費電力を見ると、同時期の TI の IC より一桁小さくなっていますね。

Hitachi

HD36290

Manufacturer: Hitachi
Package: PDIP28
Year Manufactured: 1976
Used in: CANON LD-81, etc.
Function: Internal VFD Drivers, 8+1 digits, sqrt, %

ピン配置

HD36290 は廉価なポケット電卓用のワンチップ IC です。

Unitra CEMI

Unitra CEMI は東欧ポーランドの共産国家時代における半導体メーカで、一通りの集積回路を生産していました。自国で製造する電卓用のワンチップ IC を 1990 年代まで製造しています。

MC74007N

部品定格

min
typ
max
unit
VDD
-9.5

-6.5
V
IDD


12
mA
PD

30

mW

ピン配置

MC74007N は米 MOSTEK 社 MPS7541-007 のライセンス品で、型番を MC14007N と変えて 1990 年代まで製造が続けられていたようです。パッケージの見た目はあまりよくありませんが、LED ドライバ内蔵であり、sqrt, 自乗、逆数、メモリと一通りの機能が実装されています。

参考

おまけ:電卓用ディスプレイ


MI5L

Manufacturer: SHARP?
Used By: EL-204?
Function: 9 digits, Common Anode

いわゆるバブルディスプレイと言うのでしょうか? 9桁のかわいい LED です。


DP95A4

Manufacturer: ITRON
Used By: 830MD
Function: 9 digits

LCD が普及する以前は電池式の小型電卓でも VFD や LED を使用していたわけで、これは 9 桁の小さな VFD です。
サイズ比較 
VFD の駆動には高電圧が必要ですが、全体の消費電力は 7セグ LED を駆動するのとそれほど変わらなかったりします。


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