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公開:2015/08/20
最終更新:
2023/05/26
部屋のチャイムが壊れたので、汎用ロジック IC を使って、メロディを奏でる回路…いわゆる電子オルゴールを製作しました。
電子オルゴールは電子工作の題材としてポピュラーですが、こういう単体ロジックを組み合わせて作るものは少ないと思います。専用 IC やマイコンを使うものに比べると、音数も音色もシンプルで、回路図はより複雑です。ただ、回路図どおり作ってアナログ部分をちょっと調整すれば必ず動作しますので、その点ではロジック IC のエクササイズにちょうど良いかもしれません。
メロディ IC として売られている中には音程しか変わらないようなものも見られますが、この回路は簡単ながらエンベロープジェネレータも載せてあります。
だいたい上図のような構成です。楽曲に合わせて最適化したので、IC は合計 13 個「しか」使っていません。
楽曲を再現するシーケンサ部分は 2 小節ぶんしかない簡単なものになっていますが、そのぶん回路は簡単になっています。ダイオードマトリクスによる ROM によって楽譜を格納しています。音程のコーディング方式は自由度がありますが、楽譜に合わせてできるだけダイオードの数が少なくなるように設計し ます。各音符の音程を 3 bit で表現し、"111" を「音符無し」に割り振ることで、後段のエンベロープジェネレータがシンプルになります。
配線と回路規模を簡単にするために、音程を決めるトーンオシレータは 4584 を使う CR 発振回路として、アナログスイッチ 4051 で周波数を変更する仕組みにしています。設定周波数のめやすは回路図中に記入しています。
単なる矩形波発振では音としてあまりに味気ないので、オルゴールのような音量減衰を再現するエンベロープジェネレータを組み込んでいます。この出力を トーンオシレータのオープンコレクタでスイッチすることで、音量変化をもたせた信号を生成します。ただしこの方式では出力信号の DC に近い周波数に大きな成分が乗ってしまいます。アンプの入力飽和を防ぐため、NJM386 オーディオアンプにはハイパスフィルタで結合しています。