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初版公開:2014/09/04
最終更新:
2015/01/07
シュミット・トリガ・インバータによる発振回路とダイオード、コンデンサからなる 2 倍のチャージポンプ回路です。出力電圧はだいたい ((入力電圧) - (VF)) x 2 となります。ちなみに、マイコン応用回路で使用する場合、わざわざ発振回路を作らずに、マイコンの適当なピンに繋ぐほうが簡便です。
素直に 74HC14 を使ってもよいのですが、東芝のワンゲートロジック(L-MOS) から TC7W14F を使用しています。74HC 相当の性能で半分のゲート数、またピン配置が今回の応用に都合よく、1.27mm ピッチで実装が簡単という非常に便利な IC です。なお、SB07-03C は 三洋の SBD です。
IC の電源電圧は 2-6V ですが、常温での実力値として 1.8V くらいから動作します。したがって 電池 2 本で動作する機器に最適な回路です。ただし出力電流は最大 2mA (L-MOS の出力電流 4mA の半分)が目安となりますので、大きな出力は取れませんが、CMOS 回路の電源や液晶のバイアス電圧生成、圧電スピーカ動作などには十分有用です。
発振周波数は以下のように計算できます。ヒステリシスが Vcc/2 を中心に 25%とすると、RC
直列回路のコンデンサ両端電圧は
I = C dV(t)/dt = (V(0)-V(t))/R
から
V(t) = V(0) (1 -
exp(-t/RC))
ですから、これが 3/8 V(0) と 5/8 V(0) になる時間を考えて、およそ
f = 1/(0.4 x R1 x
C1)
となります。図の回路定数では 30kHz となります。(ただし、実際の IC
では電源電圧依存となります。)高い周波数に設定すると出力電流を多く取り出せますが、IC のドライブ能力や回路の消費電流と相談する必要があります。
チャージポンプ用のキャパシタは、発振周波数と反比例、出力電流に比例して設定すべきです。しかし、IC のドライブ能力を超えては大きくできないので、10n 〜 1uF くらいが妥当だと思います。
回路定数は適当なので、消費電流と出力電流などを考えて、システムに応じて変更が必要だと思います。また、キャパシタの突入電流として最大定格以上の電流が流れる可能性のある回路なので、アマチュアの応用には良いですが、信頼性の必要な回路では使用すべきでないかもしれません。
↑はユニバーサル基板の切れはしに実装した例です。
MC34063A (Motorola) などの DC-DC コンバータのコントローラ IC の中には、最低動作電圧が 2.5V ないし 3V 以上というものも多く存在します。アルカリ乾電池や NiMH 充電池の終止電圧はおおむね 0.9V ですから、乾電池 2 本で長時間これらの IC を動作させることはできず、設計時にもどかしい思いをすることになります。
MP1541DJ (MPS) もそのような DC-DC コンバータ IC の一つです。可変出力電圧で電流制御型の高性能な昇圧コンバータなのですが、2.3V で UVLO(Under Voltage Lock-Out) が働くため、どうあがいてもそれ以下の電圧で動作させることは出来ません。
MP1541外観 (SOT23)
この IC は IN 端子から動作電圧を取り、消費電流も 1mA 以下です。そこで、IN 端子のみチャージポンプによる昇圧回路を挟めば、十分に低電圧動作が可能です。もっとも、手持ちが多いなどのアマチュア的理由がなければ、MCP1640(Microchip) のような低電圧動作の IC を採用すべきですが…。
というわけで、LED ドライバを組んでみました。電流フィードバック電圧 (1.25V) が比較的高く、その分がロスとなるので効率はそれほど取れないと思います。とはいえ引き出しにあるもので作れるメリットは大きいです。
適当なユニバーサル基板へ実装しました。LED はジャンク袋に入っていた、たぶん日亜のサイドビュー型です。
思惑通り、1.8V 動作もクリアです。