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初回公開:2013/09/28
最終更新: 2015/01/07


EN803 キューブ型FMラジオの製作

 
(外観)            (裏側)

DSP ワンチップラジオ IC を利用して充電式の小さな FM ラジオを製作しました。手のひらに乗る小さなサイズの筐体に、FM 受信回路、スピーカ、アンプ、NiMH 電池を内蔵しています。

基本仕様

プロジェクト一式・ダウンロード

詳細説明

ラジオ IC

今回使用するのは、aitendo で手に入れた EN803 という IC です。数個の外付け部品を付けるだけで FM ラジオが構成でき、ピンピッチも 1.0mm と半田付けが容易です。メーカ、データシート等はまったく不明です。この IC を入手したことがこの製作を始めるきっかけでした。ステレオ復調はできないので、イヤホンで聞くポータブルラジオというよりも、このようなスピーカ内蔵の小型機器組み込み用に開発された IC なのでしょう。

回路図にあるように、インタフェースは選局ボタンが 2 つあるのみです。スピーカを実用的な音量で駆動する力はないので、別途 HT82V739 によるスピーカアンプを組み込んでいます。こんな簡単な回路ですがちゃんと受信できるのでびっくりですね。

筐体

一番重要なのが筐体です。100円ショップに行くと、おあつらえ向きのスピーカがありました。「キューブ型ミニスピーカー ジョイントタイプ」という商品です。

ケースが接着剤で固定されているだけなので、分解も容易です。内部には回路を組み込むのに十分なスペースがあるので、今回はこれを改造してスピーカつきラジオを製作することにします。

ちなみにこの商品、オーディオアンプを内蔵していないので、ポータブルプレーヤなどに接続してもまともな音量では再生できませんでした。改造する以外にどういう使い道を想定しているのでしょうか・・・?

構成

回路図の通り非常にシンプルな構成です。ブロック図を書くまでもないでしょう。

このような小型の製作では電池をどうするかが問題となります。CR2032 のようなリチウムボタン電池も選択肢(妥協案)としてはありますが、今回はたまたま手に入ったコイン型 NiMH 電池を使用しています。

バッテリとして充電池を使用する以上、充電回路も内蔵したいところでしたが、くみ上げてみるとケース内に入らなくなってしまいました。ちょっとださいですが、回路図のように充電回路は外付けとし、ピンコネクタによって本体と接続するという構成にしました。


(電源スイッチ)

電池


(CP-200H)

秋葉原で手に入れた CP-200H という 280mAh の NiMH 電池です。

特殊な電池なのでホルダがないのですが、以下のような基板を作り、ねじで締め付けることで電池を固定しています。適当この上ないですが、外から見えないのでいいかな、と・・・。

充電回路

USB から電池を充電できるように充電回路を作りました。回路図にはマイコンありとマイコンなしの 2 つのバージョンを載せましたが、上記写真はマイコンありバージョンです。両方とも充電電流は約 58 mA で、以下のように機能の違いがあります。

マイコンありバージョンでは、内蔵 ADC とタイマにより充電状態を自動的に制御するので、コネクタに回路を接続するだけで充電が開始されます。充電終了後いはトリクル充電に自動で切り替わります。充電状態は LED によって表示します。ΔΣ制御ではなく単なるタイマ制御ですので、充電には少し時間がかかります。

マイコンなしバージョンは簡単に作れる反面、規定の充電時間が過ぎた後に手動でコネクタを抜かなくてはいけません。

DC-DC コンバータ

1.2V の電池 1 本でラジオとスピーカアンプを駆動しなくてはなりません。今回は Microchip の MCP1640 を用いて 1.2V -> 3.0V ブーストコンバータを構成しています。この IC の性能は別のページで評価した通りです。3V 側の消費電流は 20mA 程度なので、効率は悪化しますが、手に入れやすい HT7733A などの DC-DC コンバータでも動くと思います。

製作

ケースにを分解して、穴を開けて、回路を組んで、部品を固定して、ケースを再び接着すれば、完成です!


(製作途中)


(完成図)


(背面)

 

付録

今回使用したキーパーツ

DSP ラジオ IC EN803
NiMH 電池 CP-300H
DC-DC コンバータ MCP1640(Microchip)
スピーカアンプ HT82V739(HOLTEK)
充電コントローラ ATtiny13A(ATMEL)