VFD時計+温度計 の製作

初回公開:2012/06/29
最終更新:2013/04/18
全面修正・暫定公開



(外観)

秋葉原で VFD(蛍光表示管)が売っていたので、VFD を使った時計を製作しました。0.1 ℃分解能の温度計機能も付いています。DC-DC コンバータや RTC の動作も含めて全てマイコン1つで行っている点がポイントです。見やすい自発光素子なので昼でも夜でも時間がすぐわかります。

基本仕様

プロジェクト一式・ダウンロード

回路図 ver. 12/06/29
ソースコード

[24/09/11] Another Version

aa札幌の生田様より、私の回路をもとに基板化されたとのことで、写真を送っていただきました。
DC-DC まわりは使用された VFD 用にアレンジされているとのことです。
とても綺麗に作られているので、こちらに紹介させていただきました。ありがとうございます。


詳細説明

 
暫定公開版
NOT CERTIFIED
 

はじめに:注意事項

実用には問題ないのですが(1 年以上の連続稼動実績あり)、DC-DC コンバータの過渡特性と、VFDドライバ部分の回路に若干の課題があり、若干のゴーストの症状があるため、現状は暫定版という形で公開しています。

回路構成

上図にブロックダイアグラムを示します。図に示すように、VFD(双葉 10-MT-20-GY) 以外に特殊な部品は使っておらず、VFD ドライバはバイポーラトランジスタによるディスクリート構成です。DC/DC もAVRによる制御で、MOSFET によるディスクリート構成のブーストコンバータです。

VFD の電源

VFD は真空管のようなもので、駆動に高電圧や交流電圧が必要になるため、回路が煩雑になりがちです。本製作では、VFD の電源回路は以下のように構成しています。

(1)フィラメント電源

10MT20GY のデータシートには、フィラメント電源 4.1 V AC 、カットオフバイアス -2.8V とあります。 つまり、アノード・グリッド駆動電位の低圧側(本回路では GND 電位)から見て、2.8 V の DC オフセットを含んだ交流電圧をフィラメント電極に加えれば良いということです。一般にフィラメント電源は正弦波である必要はないので、ここでは Hブリッジ回路を使い、約 4.3V 50Hz の矩形波によってフィラメントを駆動します。カットオフバイアスは -2.8V に相当します。

(2)アノード電源

 この VFD はダイナミック駆動向けに作られていますが、アノードに高電位を加えたとき、高電位を加えたグリッドに対応するセグメントが発光します。LED のダイナミック駆動とは異なり、セグメントとコモンの両方に高電位を与えると発光する点に注意です。

AVR がコントロールする昇圧チョッパにより生成した 26V の高電圧を、バイポーラトランジスタ2石で構成したハイサイド・ドライバで出力することで、アノードを駆動します。アノード駆動波形を PWM 変調させることで、VFD の明るさを調節できるようにしています。

(3)グリッド電源

この VFD では規定電圧がアノード・グリッド共に等しいので、アノードと同様の駆動回路でグリッドを駆動します。マイコンのピンが足りなくなってしまったので、シフトレジスタ 74HC164 でグリッド波形を生成しています。

スナップショット

基板外観(上から)

下側に見える細いでっぱりは操作スイッチです。下側中央の四角形は温度測定 IC です。

以下は表示モード一覧です。

時刻表示
時刻+温度(1)
時刻+温度(2)
日付表示
最高気温・最低気温